データ戦略を始めるタイミング:一番良いのは昨日、二番目は今です

データ戦略を始めるタイミング:一番良いのは昨日、二番目は今です

データ戦略の導入の遅れは、重要なビジネス洞察を活用できるまでの時間がよりかかるということを意味します。組織の上級意思決定者とIT 意思決定者を対象としたClouderaのグローバル調査の結果によると、データ戦略を早期に導入した組織は、より早くビジネスに活用できていることが明らかになっています。

by Cindy Maike
この記事は、2021/12/08に公開された「The Best Time to Kickstart Your Data Strategy Was Yesterday, the Next Best Time Is Now」の翻訳です。

レポートについて

Cloudera エンタープライズデータ成熟度レポート」は、企業における上級意思決定者と IT 意思決定者の3,150人を対象としたグローバル調査で、データと分析の現在の能力と取り扱いに関して、組織の成熟度を評価したものです。組織における、データと分析の現在の利用状況、データと分析の活用を支援している関係者、プロセス全体でデータがどの程度活用されているか、エンタープライズデータ戦略の有無、エンタープライズデータクラウドに関連する機能がどの程度導入されているかという点に基づいて評価されています。

この「Cloudera エンタープライズデータ成熟度レポート」の中から、全体的に統合されたエンタープライズデータ戦略による、収益、回復力、文化など、企業が望む成果を実現するためのさまざまな方法を探ります。

長年にわたり、データと洞察の活用に関して多くの議論がなされ、書かれてきました。企業は、戦略やプロセスによって事業が正しく運営されているのかを判断するために、正しい情報と洞察力を必要としています。軌道修正や調整を行うためにも、適切な情報を得ることが不可欠なのです。ビジネス戦略をサポートするデータ戦略は、非常に明確です。データドリブン型企業は、変化する内外の状況に迅速に対応することができます。つまり、データドリブンの洞察に基づいて戦略的・戦術的な決定を下すことで、競合他社と差をつけることができるのです。

データ戦略を持たずに、その取り組みを先延ばしにすればするほど、成果を得るまでに時間がかかることになります。

Cloudera は、企業の現状を把握するために、世界中の上級意思決定者と IT 意思決定者を対象とした横断的な調査を実施し、データ戦略の成熟度を評価しました。データ戦略で成功している点や苦労している点と、それに対応するビジネスパフォーマンスへの影響を把握するための調査です。

この調査で得られた最大の成果は、次の2つです。

「エンタープライズデータ戦略を1年以上にわたって導入している企業が回答している利益成長率は、導入してから日が浅い企業、および今後12ヶ月間に導入予定の企業よりも高いものとなっている」

「IT 意思決定者(ITDM)の64%が、データ戦略が1年以上実施されている場合は成功したと報告しているのに対し、1年未満の場合は27%にとどまっている」

データ戦略を取り入れ、運用化した企業は、ビジネス面でも財務面でもメリットを実感しています。さらに調査結果を見てみましょう。

タイミングが重要、そして忍耐力は利益につながる

エンターブライズデータ戦略が効果的である割合の棒グラフ

エンタープライズデータ戦略を1年以上実施しているビジネスリーダーのほとんどが、その戦略は「非常に効果的」であると回答しています。しかし、導入して1年未満の企業では、30%にも達しませんでした。これは、強固なデータ戦略を企業レベルで策定し、実施するには時間がかかることを示しています。次の決算発表までに結果を出すためではなく、数年後しっかりした基盤を築くために、データ戦略が今、必要なのです。

データ戦略を取り入れた企業の平均成長率の棒グラフ

効果的かつ成熟したデータ戦略によって、ビジネスリーダーはより大きな利益を得ることができると報告しています。データ戦略を1年以上導入している企業では、平均6%以上の利益成長率を見せています。収益への複合的なプラスの効果は、迅速な導入と、それをやり遂げる忍耐力によってのみ実現されるものです。

無限に耐える必要はありません

戦略的な導入から1年以内に結果が報告されることから、ほとんどの組織では、データの取り組みから、いつ明確な結果を得られるか具体的なタイムラインを持つことができます。もし、その期間内にプラスとなる変化の兆しが見えないようであれば、戦略を変更するか、外部の戦略的支援を求めるべきである可能性が高くなります。

また、大多数の IT 意思決定者(97%)と上級意思決定者(96%)が、エンタープライズデータ戦略の導入に際して、少なくとも1つの課題があった、または課題が予測されたと回答しています。しかし、これらの「課題」は、全体的な失敗とは異なり、導入の際に予想される乗り越えるべき壁に過ぎません。

高信頼性は、次に起こり得る危機への備えとなる

新型コロナウィルス感染症(COVID-19)のパンデミックは、あらゆる企業の社内外でのビジネスの方法を変えました。ほとんどのビジネスリーダーは、ロックダウン、ワクチン、マスク着用の義務付けなどによる実店舗での影響や、グローバルサプライチェーンショックによる財務的影響などを懸念していました。そして、パンデミックのさまざまな影響に対処する企業の能力は、そのデータ戦略の成熟度に大きく影響されていました。1年以上前から戦略を導入していた企業のうち、パンデミックの影響に「非常にうまく対処している」と回答したのは64%でした。これは、エンタープライズデータ戦略を導入して1年未満の組織の回答者の結果の2倍以上でした。

現在戦略を策定していないが、今後12ヶ月以内に策定する予定である企業では、回答者の61%がパンデミックの影響に「ある程度うまく対処している」と回答し、「あまりうまく対処できていない」と回答したのは20%という残念な結果になっています。

パンデミックとデータ戦略の関係を表すグラフ
次に起こる、世界中を巻き込むような出来事が、どのようなものであるかを完全に予測することはできませんが、同様の影響を受けることは、避けられないでしょう。今、データ戦略を導入し、予測ができる限り将来に備えることができる企業は、次の嵐を切り抜けるための回復力を身につけることができます。 データに基づくリアルタイムの洞察は、業績向上につながることが分かっています。

この記事は、レポートから得られた知見の一部をご紹介したものです。詳細は「Cloudera エンタープライズデータ成熟度レポート」でご確認ください。

 

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