データインモーション:NASAとオーリカ大陸

データインモーション:NASAとオーリカ大陸

気候変動の影響から新しい超大陸の形成まで、クラウドコンピューティングによるデータドリブンの動きは、地球の未来のモデル化にどのように役立っているのでしょうか?

by Rob Carey
この記事は、2022/4/15に公開された「Data In Motion: NASA and Aurica」の翻訳です。

約3億年前、地球にはパンゲアと呼ばれる1つの超大陸がありました。その広大な大陸が数百万年の間に分裂し、さまざまな方向に移動して、現在の7つの大陸が誕生したのです。

このように数千年の間に地球は劇的に変化しました。ここで、当然の疑問が生じます。今後、地球はどのように変化していくのでしょうか?数億年前のパンゲアの分裂の原因となった、プレートテクトニクスと大陸移動は、今でも進んでいます。そして、科学者は、今後2億5千万年の間に、今度はオーリカ大陸と呼ばれる超大陸が形成されるだろうと予測しています。

NASA ゴダード宇宙研究所(GISS)や、ポルトガルのリスボン大学、イギリスのバンガー大学など、世界中の研究機関が、はるか遠い未来に新しい超大陸が形成されると予測しています。未来の超大陸がどのような姿をしているか、あるいは気候変動が私たちの生活にどのような影響を及ぼすか、といったモデルを考えるには、お分かりかもしれませんが、データと計算能力が必要です。そしてそのボリュームは膨大です。

遠い未来と近い未来のモデル化

必要となるボリュームの高度な気象変動モデルを構築できる組織は、そう多くはありません。NASA Center for Climate Simulation(NCCS)は、それが実現できる組織の一つです。

NCCS では、NASA が支援する科学者やエンジニアにハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)を提供しています。そして、現在起きている変化について、その変化が地球の将来に及ぼす影響への理解を深めるために、気候研究を実施しています。

研究者が利用できるツールの一つに、Reanalysis Ensemble Service(再解析アンサンブルサービス、RES)があり、ユーザーは、地球の表面と大気の状態に関するデータのクエリを実行できます。NASA によると、RES は環境学者が抱えるビッグデータの問題に対処するものです。

NCCS のウェブサイトによると、「地球データの可用性と量が増加するにつれて、研究者は科学活動よりもデータのダウンロードと処理に多くの時間を費やしている」としています。そこでRES の高性能ビッグデータ解析フレームワークを研究者に提供することで、「研究者は、計算能力を活用し、NCCS にある大規模データセットをウェブベースのインターフェースを通じて解析するために、データをダウンロードする必要性がなくなる」と述べています。

RES は、気候研究データのバックエンド分析に Cloudera を活用し、研究者が RES で保存・処理された気候データから洞察を導き出すことを可能にしています。拡張可能なクラウドインフラ、Python スクリプト、オープンソースツールの組み合わせにより、研究者は、NASA が蓄積している急速に増加する気候データの意味を理解することができます。

何百万年も先の地球表面のモデルを作成するためだけでなく、気候データは、科学者が気候変動による直接的な影響を理解するのにも役立っています。海面上昇、極地の氷の融解、嵐の強さと多様性に焦点を当てたデータ解析は、政府、企業、社会全体が気候変動にどのように対処すべきかの指針を与えてくれます。

例えば、ヨーロッパでは、こうしたデータによってカーボンニュートラルな大陸を目指すサステナビリティの取り組みが、推進されています。

ビッグデータツールでサステナビリティの目標を達成する

科学者や気候変動活動家は、政府に対して、早急な変革を行うよう働きかけています。そして、世界中の企業は、持続可能な目標を達成することを求められるようになりました。

Cloudera は、気候変動と金融市場がどのように関わっているかを理解することに関しても役立っています。銀行や金融機関は、Cloudera Data Platform を使用して、気候関連リスクが投資活動に及ぼす影響を測定しています。

Cloudera の金融サービス担当シニアマネージングディレクターである Joe Rodriguez の説明によると、Cloudera は、シミュレーション技術のパートナーである Simudyne と協力して、企業が気候リスクに晒されることを理解するためのシナリオを生成しています。

気候変動研究は、企業、政府、非営利セクターなどの無数の団体が関与する世界的な取り組みです。当社は、Cloudera のツールを使用することで、科学者や研究者に、他の方法では実現に時間がかかるデータの洞察を提供し、この取り組みを少しでも簡単にできるよう支援しています。

 

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