データ戦略を前進させる段階的戦略

データ戦略を前進させる段階的戦略

金融サービス業界において、データに関する障害を取り除き、可能性を解き放つ

by Joe Rodriguez
この記事は、2022/8/30 に公開された「Incremental Strategies to Move Your Data Strategy Forward」の翻訳です。

金融サービス業界は、デジタル技術の進化において極めて重要な局面を迎えています。Deloitte 社の調査によると、企業は「デジタルサービス提供の強化」から「真に効果的なデジタル組織への変革」へとシフトしていることが明らかになっています。金融サービス事業者がデータを活用する能力は、集客し、顧客に喜んでもらい、維持する上で極めて重要です。しかし、データの重要性は理解していても、意味のある変化を実現し、効果を発揮することは非常に難しいというのが現状です。

企業において、技術的な負債と、次々と要求される規制遵守によって、イノベーションに対する予算の配分はどうしても最後になってしまいます。したがって、データを活用したイノベーションには、短期間で実現できる現実的で漸進的な戦略が必要なのです。ここでは、よりデータドリブンな、顧客中心の組織となるための取り組みを段階的に進めていくための現実的なステップをいくつかご紹介したいと思います。

漸進的な進歩を受け入れる

機能拡張は、既存のシステムで段階的に行うことができ、関係するプラットフォームを完全に作り直す必要はありません。例えば、顧客とのやりとりを強化するために、よりリアルタイムのデータストリームを追加することから始めることができます。市場データのストリーミング、ニュースフィード、予算アラートの送信などは、サービスを全面的に見直すことなく導入できるものです。Cloudera では、以前のブログ記事で説明した通り、これをユニバーサルデータ配信と呼んでいます。サービスの強化をより早く実現し、長期にわたる大規模なプロジェクトを回避するための実践的なアプローチです。

金融サービスには今までも厳しい規制が存在してきましたが、データ規制のコンプライアンス基準は大幅に強化されており、さらにこの分野の法律は常に変化しています。EU 一般データ保護規則 (GDPR) 、2021年に成立した中国の個人情報保護法 (PIPL)、米国の州固有のプライバシー法など、国境を越えた複数の規制を把握し、コンプライアンスを維持することが求められています。そのため、金融サービス事業者は、顧客の生活に合わせて高度にパーソナライズされたオムニチャネルエクスペリエンスを提供すると同時に、データプライバシーとガバナンスも、最重要課題として取り組む必要があります。

私はこれまで、数年がかりのプロジェクトが立ち上げられ、後のフェーズで予算が削減されるというのを何度も見てきました。業界の流れが速すぎるため、ROI を実現するのに何年もかけていられないというのが現実です。私たちは、エコシステムというアプローチで刷新に取り組まなければなりません。このエコシステムには、複数のベンダーの複数のコンポーネントが含まれ、すでに多くの企業ではそれが実現されています。顧客や業務上の利益という ROI の増加を実現しながらも改修していくことが、前進するための現実的なアプローチなのです。

クラウドの活用は、意味がなくてはならない

金融サービス事業者は、技術的な課題やレガシープラットフォームに関するコストの上昇に悩まされ続けています。一方で、機械学習、人工知能、ブロックチェーン、オープンAPI、5G、クラウドなどの技術革新により、技術的アプローチを刷新し、遅れることなく、理解を深め、より良いサービスを提供することが求められています。

これらの急速に進化するテクノロジーの中で、企業はより機敏に、より迅速に、新しいサービスを生み出し、顧客のニーズを先取りし、これまで手つかずだった市場に参入する方法を見定めているのです。このような変化のスピードに対応するソリューションとして、業界を問わず、多くがクラウドに注目しています。 

これまでの経験から、企業はオンプレミスと比較して、クラウドに展開されたデータプラットフォームに関連する運用モデルや総所有コストに対して、まだ理解の初期段階にあることがわかっています。場合によっては、クラウドストレージのコストにショックを受け、脱クラウドを検討する企業もあります。

私たちは、まずビジネスの目標を立て、次にその目標をサポートするためのデータ戦略を立てることをお勧めしています。最後のステップは、デプロイメントモデルの選択です。選択したデプロイメントを適切に管理するために必要なデータガバナンスのアプローチも検討する必要があります。また、既に述べたプライバシーに関する規制は今後も進化していくので、それに合わせて拡張可能であるべきです。データガバナンスは基礎的なレベルで対応されるべき重要な柱となる要素で、Cloudera では、Shared Data Experience (SDX) によって支えられています。SDX は、セキュリティとガバナンスを導入先全体で管理するため、どのようなモデルを選択しても、企業の選択や好みをサポートすることができます。

最初の一歩を踏み出す

Cloudera のハイブリッドデータプラットフォームにより、金融サービス事業者は、データが存在する場所を問わず、リアルタイムもしくはバッチデータにアクセスして活用することができます。そして、タイムリーでパーソナライズされた顧客エクスペリエンスと、自動化された顧客サービスソリューションを提供することが可能になります。

Cloudera Data Platform (CDP) は、より現実的な顧客プロファイルに基づいたビジネスアプリケーションを、迅速かつ効果的に構築することを可能にします。統合データファブリックは、組織の複数のクラウドとオンプレミスにおいて、異種データソースをインテリジェントかつ安全に一元管理するものです。新しいユースケースを段階的に開発することで、顧客や見込み客とのより良い関係を築くことを可能にします。CDPは、環境 (プライベート、パブリック、マルチクラウド、オンプレミス) やデータセットの規模にかかわらず、データのライフサイクルとすべての環境に渡って、一貫したデータセキュリティ、ガバナンス、コントロールを確保し、リスクとコストを軽減します。CDPの常時接続レイヤーとしてデータアクセスポリシーや状態情報を提供することで、増え続ける法規制への対応や機密データの取り扱いにおけるビジネスリスクや、セキュリティリスクの低減、データおよび分析への安全かつ俊敏なセルフサービスアクセスを実現するのです。

Cloudera が、どのように金融サービス業界においてデータの無限の可能性を実現するのか、詳しくは、最新のFSIガイド「A world without limits」(英語)  をご覧ください。

 

ホワイトペーパー: 機械学習を成功に導く3つの方法

Cloudera Japan Marketing
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