ETLツールとBIツールの違いとは?

ETLツールとBIツールの違いとは?

ビジネスにおけるデータ活用で重要な役割を果たすデータウェアハウス。そのデータウェアハウスと深い関係のあるツールが、ETLツールとBIツールです。本記事ではそれぞれのツールの特徴と違いについて解説していきます。

 

ETLツールとBIツール

ETLツールとBIツールは、どちらもデータウェアハウスに関係のあるツールです。企業がデータウェアハウスを効果的に活用するには、ETLツールとBIツールのそれぞれについてしっかり理解しておく必要があります。

 

ETLツールとは

まずETLツールとは、企業内の複数のシステムに散らばったデータをデータウェアハウスに格納し、いつでも使えるようにするためのツールです。ETLツールのEはExtract(抽出)、TはTransform(変換)、LはLoad(書き出し・格納)を意味します。

 

ETLツールの機能

ETLの3つの機能、Extract、Transform、Loadについてもう少し詳しく見ていきましょう。

①Extract

Extract(抽出)は、基幹システムをはじめとする社内システムに散らばったデータを抽出する機能です。抽出は利用目的に応じて行われます。たとえば在庫管理を目的とする場合、販売管理に関する膨大なデータの中から「現在の在庫」「将来の仕入れ」に関するデータを抽出するといった具合です。

②Transform

Transform(変換)は、データを一定の規則に沿って変換・加工する機能です。抽出したばかりのデータは形式がバラバラなことが多く、そのままではデータベースとして利用できません。そこでデータの不要部分を削除したり並べ替えたりして、すべてのデータを同じ形式で統一します。

③Load

Load(書き出し・格納)は、変換したデータをデータウェアハウスに書き出す(格納する)機能です。この作業が行われることで、抽出されたデータをデータベースの一部として利用できるようになります。

 

ETLツールのメリット

上で説明した各機能は、それぞれ人間が手作業で行うことも可能です。しかしETLツールを導入すれば以下のようなメリットが得られます。

メリット① 時間の節約になる

メリットのひとつは、時間を大幅に節約できることです。データを有効活用するには、社内のシステムからできるだけ多くのデータを抽出する必要があります。対象となるデータが多ければ多いほど抽出には手間と時間がかかりますが、ETLツールを使えば複雑な抽出作業を一瞬で行うことが可能です。

メリット② 高度な知識が不要

人の手で抽出や変換を行うには、データベースやデータそのものに対する高度な知識が必要になります。しかしデータを活用するすべての企業が、そのような専門スタッフを抱えているわけではありません。一方ETLツールを使えば、高度な知識や経験を持たない社員でも効率的にデータの抽出・変換・書き出し(格納)が可能です。

メリット③ データ品質が向上する

ETLツールは、ただ機械的にデータを収集・変換・書き出しを行っているわけではありません。データの重複や誤り、表記の揺れを自動修正し、より高い品質のデータベースを作ることができます。また人間の手作業ではケアレスミスを完全に防ぐことは困難ですが、ETLツールを利用すればその心配もありません。

 

BIツールとは

次にBIツールについて見てみましょう。BIとはBusiness Inteligenceの略で、企業の内外にある膨大なデータをビジネス上の意思決定に活用する仕組みを意味します。つまりBIツールとは、そのような機能を提供するツール、具体的にはデータウェアハウスに格納されたデータを収集・分析して、可視化するためのツールのことです。

 

BIツールのメリット

データウェアハウスからデータを収集したり、それを分析して可視化(グラフ化など)することも、人力で行うことは可能です。しかしBIツールを導入することで以下のようなメリットが得られます。

メリット① 時間の節約になる

ETLツールと同様、BIツールも大量のデータを高速に扱うことができます。時間と手間を節約し、より多くのデータを効率的に分析できる点がBIツールの大きなメリットです。

メリット② 高度な知識が不要

こちらもETLツールと同じですが、データの収集や分析、そして可視化について高度な知識を持たない社員でも扱えることがBIツールのメリットといえます。

 

ETLツールとBIツールの違いについて

共通点の多いETLツールとBIツールですが、最大の違いはデータ活用プロセスにおける位置と役割です。

ETLツールは社内システムからデータウェアハウスにデータを渡し、BIツールはデータウェアハウスから利用者にデータを渡します。

・ETLツール:社内の各システムからデータを抽出→加工→データウェアハウスに格納

・BIツール:データウェアハウスからデータを収集→分析→可視化(利用者に渡す)

 

まとめ:ETLツールとBIツールを効果的に活用しよう

ETLツールとBIツールは、どちらもデータ活用の効率化に役立つツールです。データウェアハウスを活用している企業であれば、これらのツールを導入することで、社内のデータを最大限に活用できるようになるでしょう。

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