データマネジメント組織はなぜ必要?組織を成功させるポイントについても解説

データマネジメント組織はなぜ必要?組織を成功させるポイントについても解説

デジタル技術の進歩に伴い、さまざまなデータをビジネスに活用する企業が増えています。しかし社内外に散在するデータを場当たり的に活用していたのでは、データの価値を最大限に引き出すことはできません。本記事ではデータの効率的な活用を可能にするデータマネジメント組織の構築方法を中心に解説します。

データマネジメント組織とは

データマネジメント組織とは、企業内でデータマネジメント戦略の実行に責任を持ち、データマネジメントの推進を担う組織です。データ駆動型経営をはじめ、企業がデータを効率的に活用するうえで、データマネジメントに特化した組織の必要性はますます増えています。

データマネジメント組織が必要とされるわけ

今日、企業の内外にはさまざまな種類のデータが日々蓄積されています。主に基幹システムでデータを扱っていた十数年前と違い、現代はデータ量も蓄積するスピードも桁違いに増えました。データの種類も表やテーブルなどの構造化データだけでなく、画像や映像、音声といった非構造化データやIoT機器などのセンサーから取得される生データなどさまざまです。これらのデータは社内外のいたるところに散在しています。

こうしたデータを一元管理して分析するにはデータマネジメントが欠かせません。とはいえ、事業部門ごとに個別にデータマネジメントを行っていたのでは非効率です。また事業部門ごとのルールや担当者のスキルによってデータ加工の方法や精度がまばらで、データの品質維持も困難になります。

これらのリスクを解消し、全社統一ルールによって質の高いデータを作成・活用するにはデータマネジメントを専門とする社内組織がどうしても必要です。

データマネジメント組織の基本構造

データマネジメント組織は、大きく「データガバナンス委員会」と「データマネジメントチーム」に分けられます。

データガバナンス委員会とは

データガバナンス委員会は社内に1つ設置され、データマネジメントの原則・方針の策定と監督を行います。データガバナンス委員会を構成するのはCDO(チーフデータオフィサー)とCDA(チーフデータアーキテクト)です。

CDO:経営戦略に基づいてデータ戦略を策定する、データガバナンス委員会の責任者

CDA:組織・データ構造・ルールなど、全体設計についての責任者

データマネジメントチームとは

データマネジメントチームは事業部門ごとに設置され、データガバナンス委員会から与えられる戦略に沿ってデータマネジメントを実行します。データマネジメントチームを構成する主なメンバーはDO(データオーナー)、DSt(データスチュワード)DA(データアーキテクト)です。

DO:部門内のデータ責任者

DSt:データ要件の定義に加え、DOとDAの間に入る現場の調整役

DA:部門内のデータ管理を行う監督役

clouderaデータマネジメント

EDM・PDCAサイクル

データガバナンス委員会とデータマネジメントチームは双方向の連系だけでなく、それぞれの中で「EDM」、「PDCA」と呼ばれるサイクルを回しています。

まずデータガバナンス委員会のEDMサイクルは、事業部門のデータ活用を「評価」(EDMのE)し、それに基づいて「戦略策定」(EDMのD)を行い、戦略に沿ったデータ活用を「モニタリング」(EDMのM)して再び評価するという循環です。

データマネジメントチームのPDCAは、戦略に基づいて「戦術・運用計画」(PDCAのP)を立て、それに基づいて「実行」(PDCAのD)し、それを「チェック」(PDCAのC)することによって「改善」(PDCAのA)すべき点を見つけ、再び運用計画を立てるというサイクルになります。

ClouderaデータマネジメントPDCA

データマネジメント組織成功のポイント

データマネジメント組織を成功裏に運用するには、抑えておきたいいくつかのポイントがあります。

少人数から始める

データマネジメント組織の初期段階では、できるだけ少人数(〜5名)でのスモールスタートを目指すべきです。データマネジメント組織を構成する専門家には先ほど紹介したCDO・CDA・CO・DSt・DA以外にも、データプレッパー、データインテグレーター、データクオリティスト、データセキュリティストなどがあります。しかし初期段階では、これらの専門家はDAで代替可能です。データマネジメント組織の成熟度に合わせて段階的に増員することをお勧めします。

目標を決めてから動く

データマネジメントはやみくもに動いても十分な効果は得られません。工数が余計に増えて時間がかかり、かえって現場を混乱させる可能性もあります。まずはデータガバナンス委員会を中心に目標(理想的なデータ活用の姿)を決め、それに向けて行動を起こすことが大事です。データマネジメントによる管理そのものが目的にならないよう注意してください。

現状のデータを把握しておく

目標を立てたら、実際に動く前に自社の内外にどのようなデータがあるか正確に把握することも重要です。調査が不十分だと的はずれなデータ戦略を立案したり、データが少なすぎて十分な分析結果を得られないという結果になるかもしれません。必要であれば他の事業部門とも連系して、目標に対して十分なデータを網羅しておくと良いでしょう。

まとめ:データマネジメント組織でDXを推進させる

デジタルデータの価値を最大化するデータマネジメント組織は、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進にも欠かせません。情報化の時代に適応する新たな企業風土を醸成するためにも、データマネジメント組織を積極的に活用してください。

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