銀行がテクノロジーによって「金融包摂」を実現する方法

銀行がテクノロジーによって「金融包摂」を実現する方法

by Joe Rodriguez
この記事は、2023/02/07 に公開された「How Banks are Using Technologies to Help Underserved Communities」の翻訳です。

「金融包摂」という言葉があります。これは、金融サービスから取り残されているコミュニティに対して金融サービスへアクセスできるようにするということで、現代の銀行業界が取り組むべき重要な課題です。世界銀行によると、世界の17億人の大人が、正式な金融サービスを受けることができていません。具体的には、銀行口座の開設ができなかったり、クレジット、保険、その他の金融商品を利用することができないのです。このような金融包摂の欠如は、緊急時に備えた貯蓄ができない、教育やビジネス機会への投資ができない、金融ショックに対する脆弱性が増大するなど、さまざまなマイナスの結果を招く可能性があります。

金融包摂に対する取り組み

金融サービスやクレジットを利用することによって、個人や、金融サービスから取り残されたコミュニティ全体を貧困から脱却させることができます。銀行は、アクセスを提供することで、該当コミュニティが将来に備えて貯蓄し、教育やビジネスに投資できるようになり、経済的な強さを手に入れることを支援します。それが、経済発展の原動力となり、コミュニティの生活全体の質を向上させることができるのです。

また、銀行は、金融サービスから取り残されたコミュニティが金融リテラシーを高め、責任ある行動を取れるようになるための支援にも取り組んでいます。例えば、モバイルアプリを使った金融教育やトレーニングプログラムの提供、わかりやすく使いやすい金融商品・サービスの設計などがあります。経済的な選択肢をよりよく理解し、お金の管理方法について十分な情報を得た上で決断できるよう支援することで、金融包摂を促進し、より強固で、より回復力のあるコミュニティの構築に貢献することができます。

こうした取り組みを進めるため、該当コミュニティの金融ニーズをよりよく理解し、サービスを提供しようと、データ、データ分析、機械学習 (ML) や人工知能 (AI) を活用するようになっています。銀行がこれらの技術を活用する方法の1つに、公共料金などの支払い履歴など、今までとは異なるデータソースを活用して、従来の FICO スコア (信用スコア) やクレジットスコアを持たない個人の信用度を判断することがあります。これにより、銀行は、個人の信用力をより正確に評価し、ニーズに合った金融商品やサービスを提供すると同時に、自らのリスクを管理することが可能になります。

Cloudera Data Platformの活用

Cloudera Data Platform (CDP) は、銀行が金融包摂を実現する上でも活用されています。CDP は、銀行が構造化データと非構造化データの両方を含む大量のデータを保存、処理、分析することを可能にする包括的なハイブリッドデータプラットフォームであり、単一の統合プラットフォームです。CDP は、銀行が必要なデータに迅速かつ容易にアクセスし、金融サービスから取り残されたコミュニティのニーズや行動をよりよく理解し、独自のニーズに合った金融商品とサービスを設計することを可能にします。例えば、インドネシアの銀行 PT Bank Rakyat Indonesiaでは、CDP を活用し、マイクロ金融サービスの取り組みに注力しています。 

モバイルバンキングアプリは、金融包摂を進めようとする銀行にとって重要なものです。スマートフォンの普及に伴い、モバイルバンキングのアプリは、今まで実店舗がなかった地域でも、人々が金融サービスを利用できる便利な方法を提供しています。

まとめ

最後に、新規顧客の獲得コストはかつてないほど低くなっており、銀行にとって金融包摂の取り組みの収益性が高くなっていることは、注目すべき点です。データ分析や ML/AI の利用が進むにつれ、銀行は、金融サービスから取り残されたコミュニティをより効果的に顧客対象とし、独自のニーズに合った金融商品やサービスを設計することができるようになりました。これらのテクノロジーは、金融包摂の推進に役立つだけでなく、顧客基盤の拡大につながり、銀行の収益性を高めることができます。  

Cloudera が金融サービス業界においてどのように活用されているのか、詳しくはこちらをご覧ください。

Cloudera Japan Marketing
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