データ連携は情報システムの効率的な運用に欠かせない要素です。本記事では、データ連携の重要性とメリットを解説するとともに、データ連係のおおまかな流れとデータ連係に使用されるEAIツール・ETLツールについて解説していきます。
データ連携とは?
データ連携とは、複数のシステム間でデータを共有・交換し、一貫性を保ちながら利用するためのプロセスです。データは日々増加しており、さまざまな種類のデータを扱う現代の企業において、データ連携は組織内の情報システムを効率的に運用するうえで欠かせない要素といえます。
データ連携を行うメリット
データ連携を行うことで、以下のようなメリットが得られます。
効率性の向上
データ連携により、手動でのデータ入力やエクスポート・インポート作業が減少し、業務の効率が向上します。結果として従業員がより重要な業務に注力できるようになり、企業全体の生産性が向上します。データ処理のスピードそのものも向上し、より迅速な意思決定が可能になります。
信頼性の向上
データ連携によって、システム間のデータの一貫性が維持されるため、情報の信頼性が向上します。情報の信頼性が向上すれば、経営者はビジネス上の重要な判断を行う際に、より確かなデータに基づいて精度の高い決定を下すことができます。
データ活用の促進
データ連携により、複数のシステム間でデータの共有が簡単になります。異なる部門やチームが持つデータを組み合わせれば、イノベーションや新しいビジネスチャンスの創出にもつながるでしょう。またデータの可視化や分析が容易になれば、経営者の意思決定が促進され、企業の競争力が向上します。
データ連携の流れ
データ連携は、一般に以下の流れで行われます。
ステップ1:データソースの選定
まず最初に、どのデータソース(データベース、アプリケーション、APIなど)からデータを取得するかを決定する必要があります。これは、連携するデータの種類や目的に応じて選定されます。
ステップ2:データの抽出
選定されたデータソースから、連携が必要なデータを抽出します。抽出するデータは、全てのデータや特定の条件に合致するデータのみなど、連携目的に応じて選択されます。
ステップ3:データの変換
抽出したデータは、異なるシステム間で互換性を持たせるために変換されます。これには、データ形式の変換やデータのクレンジング(不正確なデータや重複データの除去)、データの標準化(単位や表記の統一)などが含まれます。
ステップ4:データの転送
変換されたデータは、目的のシステムやデータベースに転送されます。転送方法は、リアルタイム転送やバッチ転送など、システム要件やデータ量に応じて選択されます。
ステップ5:データのロード
転送されたデータは、目的のシステムやデータベースにロード(書き込み)されます。これにより、連携先のシステムでデータが利用可能になります。
ステップ6:データ連携の監視・管理
データ連携プロセス全体を監視し、エラーやデータの品質問題を検出・解決することが重要です。データ連携ツールを利用して、連携プロセスの進行状況やエラー発生状況を確認し、必要に応じて修正や再実行を行います。
データ連携のツールについて
データ連携を支援するためのツールには、主にEAI(Enterprise Application Integration)ツールとETL(Extract:抽出, Transform:変換・加工, Load:書き出し)ツールがあります。
EAIツール
EAIツールは、企業内の異なるアプリケーションやシステム間でデータを連携させることを目的としたツールです。EAIツールは、システム間のデータのやり取りを効率化し、企業全体のデータ連携プロセスを統合・最適化する役割を担います。EAIツールの主な機能には、データの変換、データの転送、ワークフロー管理、データ連携の監視・管理があります。
ETLツール
ETLツールは、データウェアハウスやデータベースにデータを取り込む際に、データの抽出・変換・ロードを効率的に行うためのツールです。ETLツールは、大量のデータを高速に処理することが可能であり、データ品質の向上やデータ整合性の確保にも寄与します。
どのツールを選べばよいか?
データ連携に関するツール選びは、組織のニーズやシステムの状況によって異なります。EAIツールが適しているのは、リアルタイムやネアリアルタイムでのデータ連携が求められる場合や、異なるシステム間で複雑な連携が必要な場合です。一方、ETLツールは、バッチ処理でのデータ連携が求められる場合や、大量のデータを効率的に処理することが重要な場合に適しています。
まとめ:データ連係によって企業の競争力を強化する
データ連携は、企業内の情報システムを効率的に運用するうえで欠かせない要素です。データ連係によってデータ活用の効率性や信頼性が向上し、ビジネスにおけるデータ活用が促進されることで、自社の競争力は強化されます。新たなビジネスチャンスやイノベーションの創出に向けて、積極的なデータ活用を行っていきましょう。