パブリックかオンプレか:通信大手におけるハイブリッドクラウドの活用

パブリックかオンプレか:通信大手におけるハイブリッドクラウドの活用

TM Forum Digital Transformation World 2022 にて学んだ3つの重要なポイント

by Anthony BehanLouisa Lu
この記事は、2022/10/19に公開された「Public or On-Prem? Telco giants are optimizing the network with the Hybrid Cloud」の翻訳です。

通信業界では、データワークロードの仮想化やクラウド移行をサポートするために、ハイブリッドデータアーキテクチャの開発を続けています。データワークロードだけでなく、ネットワーク仮想化や B2B サービスにおいても、クラウドが不可欠であることに変わりはありません。そんな中で、通信業界のデータ量と規模が膨大になるにつれて「クラウドへの移行」を慎重に管理する必要性が出てきます。

ほぼ3年ぶりに開催された、TM Forum の年次カンファレンスである Digital Transformation World には、通信業界全体から3,000人を超える代表者が、デンマークのコペンハーゲンに集結しました。テクノロジー、ネットワーク、データと AI に焦点を当てた講演が業界のリーダーによって多数行われ、その中で、インフラのハイブリッド性について繰り返し話題に上がりました。

ここでは、このイベントで得られた3つの重要なポイントを紹介します。

1. パプリッククラウドだけではないクラウド

通信事業者は、近い将来、データをより適切に管理し、業務をサポートするために、ハイブリッドマルチクラウドに移行することを計画しています。S&P Global Market Intelligence社傘下の 451 Research 社が実施したハイブリッドデータアーキテクチャの調査レポートでは、通信事業者の約60%が過去12カ月間に、データ/分析ワークロードをパブリッククラウド環境からオンプレミスもしくはコロケーションデータセンター環境へ戻したと報告しています。ハイブリッドクラウドを導入することで、特に複数の異なる環境にわたってデータを迅速かつ効率的に処理したい時、組織が望む俊敏性を得ることができます。

LG Uplus 社の Jinsoo Jang 氏と KPN の Patrick de Vries 氏は、Cloudera 主催のランチセッション「Modern Data Architecture for Telco(通信事業者におけるモダンデータアーキテクチャ)」 にて講演を行いました。両氏は、自社のネットワーク分析プラットフォーム(LG Uplus 社では RAP、KPN 社では UDEX)が、重要なオンプレミスのワークロードを驚異的な規模と速度で提供する方法を紹介しました。

LG Uplus 社では、毎日データ量が400テラバイト増加しているため、データワークロードをハイブリッドクラウドに拡張する必要がありました。

アーキテクチャを選択する際には、規模以外の要因も影響しています。例えば、変動するデータ保護規制へのコンプライアンスに関する懸念、マルチクラウド機能の必要性、企業(特に政府機関)からの要求などがあります。それに対応するには、データアーキテクチャにおいて、オプションが必要となっているのです。そして何より、コストへの懸念がクラウド移行を左右することになり、ワークロードの脱クラウドが、一般的になってきています。

Clouderaによるデータガバナンスのマスタークラスの写真

データガバナンスのマスタークラスでは、ツールのレビューが行われ、Cloudera がデータ管理のための通信事業のデータガバナンスリーダーであることを改めて知っていただくことができました。

2. AI 機能がデータの収益化を促進

ウェアラブルデバイス、スマートトラッカー、モバイルデバイスなどのテクノロジーの急速な普及により、通信事業者は、日々大量のデータを抱えることになっています。通信事業者は、ネットワークの予測保守やインテリジェントな異常検出から、先制的な顧客サポートや、顧客生涯価値の最適化まで、アクセス可能な広範な統合データを活用して、ビジネス全体で実行する高精度AIモデルの訓練を行っています。

Robi Axiata社、Clarity 社、Exfo 社、BolgiaTen 社と提携している Cloudera は、先進的なソリューションで共通の課題を解決する 40 TM Forum Catalysts グループの一員です。

Clouderaは、「AI@Scale(AIの大規模活用)」のデモを行い、ML Ops が AI モデル ガバナンスの自動化をサポートする必要性に焦点を当てました。これにより、より多くのモデルを同時にデプロイし、さらに大規模なデータセット全体に展開できるようになりました。このレベルのサポートは、通信事業者の運用における次世代自動化に不可欠であり、Cloudera Data Platform はエンドツーエンドのソリューションを可能にします。

コペンハーゲンで開催された Digital Transformation World で AI@Scale Catalyst をプレゼンするBolgiaTen社 Steve Bowker氏、Robi Axiata社シニアバイスプレジデント A・K・M・Ziaul Haque氏、Cloudera の Anthony Behan

3. セキュリティとデータガバナンスは依然として優先事項である

データと AI のテーマの中では、通信事業者のサービスプロバイダーにとって重要性が増している、データガバナンスの話題も含まれていました。サービスプロバイダーの成功には、エンタープライズガバナンス、監査可能性と透明性の実現、そしてデータ運用に弾力性を持たせるソリューションが欠かせません。さらに、セキュリティ脅威の増大とリアルタイムのビジネス洞察の提供を強化する必要性により、最新のデータアーキテクチャの一部として包括的なガバナンスに対する需要が高まっています。

Cloudera の Wim Stoopが講演する様子

Cloudera の Wim Stoop、データガバナンスマスタークラスで、「パブリックとプライベートのマルチクラウドにまたがって組織化する通信事業者のデータガバナンス体制の必要性」について講義。

ハイブリッドな未来では、ハイブリッドなマルチクラウドデータアーキテクチャの必要性の概要が紹介されています。通信業界の参加者の多くは、データ戦略の一環としてハイブリッドアーキテクチャを導入する組織が競争において優位に立てるということに同意しています。

Cloudera は、正確で実用的な洞察を大規模に提供するハイブリッドデータプラットフォームを提供することで、通信事業者を支援します。世界の主要なクラウドソリューションプロバイダー(上位100社)の80%以上が Cloudera を信頼し、データ、ネットワーク、マーケティング、エンタープライズ全体、そしてエッジから AI に至るまで、分析と洞察の取得を推進しています。通信業界についてはこちらのサイトをご確認ください。

Cloudera は、TM Forum と協力して、データガバナンス、AI ガバナンスなどに取り組むコラボレーショングループを続けています。それによって、通信業界の皆様とより良い未来を構築していきたいと考えています。

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Cloudera Japan Marketing
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