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ハイブリッドデータプラットフォームによって金融サービスを最新化する6つの方法

by Joe Rodriguez
この記事は、2023/06/22 に公開された「Do You Know Where All Your Data Is?」の翻訳です。

デジタルトランスフォーメーションに対して熱心に取り組んでいるにもかかわらず、ほとんどの金融機関は、パッチワークのように寄せ集められたサイロ化されたシステムとリポジトリをサポートしています。このように統合されていないリソースは、「名ばかりのデータプラットフォーム」です。高いメンテナンス費用に加えて、他の重要なシステムとの相互運用性がないため、ビジネスの変化に迅速に対応できません。

そして、規制遵守によって課される厳しい要件に対して、ほとんどのレガシーシステムはその独自の性質は、リソースを、パブリッククラウドでホストされるデータプラットフォームに統合するのをほぼ不可能にしています。このようなシステムやデータセットの寄せ集めを最新化し、統合するためには、金融サービス機関は、オープンソーステクノロジーとオープンスタンダードをベースとした最新のハイブリッドデータプラットフォームを採用することが求められています。

金融サービスにおけるハイブリッドデータプラットフォームの利点

ハイブリッドデータプラットフォームは、金融機関のレガシーシステムとシームレスに共存でき、そのデータ運用を強化し、デジタルトランスフォーメーションへの段階的なアプローチを可能にします。 

ハイブリッドデータプラットフォームの主な利点は次のとおりです。

  1. コスト効率:ハイブリッドデータプラットフォームは、レガシーアプリケーションやワークロードに手を加えることなく、既存の投資を維持できます。場所に関係なく、分散データへの透明性のあるアクセスを可能にし、レガシーシステムとの相互運用性を確保します。金融サービスが非機密データをコスト効率の高いクラウドインフラストラクチャに選択的に移行できるようにすることで、サイロ化を解消します。
  2. コンプライアンスの簡素化:非機密データとワークロードをクラウドに移行しながら、規制要件へのコンプライアンスを確保します。組み込まれているインテリジェンスは、一般的なデータ管理とデータ統合タスクを自動化し、データガバナンスの全体的な有効性を向上させ、クラウド環境とオンプレミス環境全体でデータの全体像を把握することができます。これらの機能を組み合わせることで、財務報告、業務分析、その他のデータドリブン型イニシアチブの精度が向上します。
  3. 拡張性と俊敏性の向上: データの古さ、機密性、アクセス頻度、ワークロードの要件などに応じて、クラウド環境とオンプレミス環境の間でデータを分散させるなど、変化に対応する方法を提供します。金融サービス企業は、オンプレミスのリソースを活用しながら、クラウドの無限に近いキャパシティを活用し、パフォーマンスとコンプライアンスの厳しい要件を満たすことができます。
  4. 柔軟性:データベース、クラウドまたはRESTful API、リアルタイムのストリーミングフィードからのデータだけでなく、ドキュメントデータベースやその他のソースからの非構造化データも統合します。また、バッチデータとストリーミングデータの両方を扱うことで、意思決定の支援に不可欠となる従来の分析ワークロードだけでなく、リアルタイムの業務分析もサポートします。
  5. 最新化への段階的アプローチ:レガシーシステムを維持し、セキュアに保つには、専門知識が必要となり、その専門性に対して支払う費用というのは時間の経過と共に増加します。さらに他のシステムとの相互運用やアップデートの面で柔軟性に欠けます。ハイブリッドプラットフォームは、あらゆる種類の技術的負債を大幅に削減し、非機密データを費用対効果の高いクラウドストレージに段階的に移行することを可能にします。これにより、初期の混乱を最小限に抑えつつ、長期的なメンテナンスコストを削減することができるのです。
  6. セキュリティポスチャを根本的に改善:セキュリティ脅威の検出とコンプライアンス監視を一元化し、デフォルトでオンとなるデータ暗号化やロールベースアクセス制御 (RBAC) などの組み込み対策を導入することで、レガシーでサイロ化されたシステムに内在する一般的なリスクを排除し、金融機関のセキュリティポスチャを変革します。

技術的負債の返済、規制要件の遵守

技術的負債はレガシーシステムについてまわるものなので、多くの金融機関にとってハイブリッドプラットフォームが唯一の実行可能なソリューションと言えます。レガシーシステムは通常、あまりに時代遅れであるか、その独自性でブラックボックス化されたシステムの場合、その構造の理解が不十分であり、クラウドに移行できません。

さらに、複雑な規制要件の組み合わせにより、金融サービス機関が機密データと業務をパブリッククラウドインフラストラクチャに移行することができません。このような機密性の高いワークロードやデータセットに対して、ハイブリッドデータプラットフォームは、コンプライアンスニーズと革新や最新化の必要性のバランスを取る方法を企業に提供します。また、オープンソースのテクノロジーを活用し、オープンスタンダードを遵守することで、新たな技術的負債を最小限に抑え、メンテナンスの大部分をオープンソースのエコシステムに委ねることができます。技術的負債を返済する代わりに、予測分析や機械学習 (ML) の新しいユースケースを特定したり、高度な分析を業務ワークフローに組み込んで、新しい製品やサービスを開発したりすることに、重点を置くことができるのです。

金融機関の M&A 統合を支援

合併と買収 (M&A) の活発化が予想される中、ハイブリッドプラットフォームは戦術的・戦略的な資産です。データの全体像を把握し、コアとなるデータ管理とデータ統合タスクを自動化し、データガバナンスとデータセキュリティを簡素化することで、異種のシステムとプロセスのシームレスな統合を促進します。 

現実には、相当な規模と成熟度を持つ2つ以上の金融機関の業務を統合するには、エンタープライズアーキテクチャの再設計が必要となります。異種システム間のアプリケーション、ワークロード、データの統合だけでなく、異種ビジネスプロセスの探索、マッピング、調整も含まれます。ハイブリッドプラットフォームでは、組み込まれた特徴、機能、インターフェースの共通セットを公開するため、金融サービス機関はこれを使用して、異種のシステムやプロセス間でサービス、ワークロード、データを統合する、信頼性が高く柔軟性のあるワークフローを設計することができます。

自らシステムを構築することに価値はあるのか

金融機関は、独自のハイブリッドデータプラットフォームを設計、構築、テスト、立ち上げることができます。一方で、Cloudera Data Platform (CDP) のような最高クラスのソリューションを採用することもできます。

ハイブリッドであろうとなかろうと、特注のデータプラットフォームを構築する上では、新たに大きな技術的負債を背負うことになります。また、特注のデータプラットフォームを支えるためにオープンソースのテクノロジーも大規模にカスタマイズする必要があり、さらに、これらのカスタマイズの長期的なメンテナンスの責任を負うという、リスクを伴います。 

さらに、金融サービス機関は、上流のオープンソース技術に欠けている必要な機能を設計、実装、保守しなければなりません。しかし、現在データプロファイリング、データクレンジング、データ統合などのタスクを自動化する CDP の組み込み機能に匹敵するオープンソーステクノロジーの組み合わせはありません。既存のオープンソーステクノロジーでは、CDP の透過的なデータ連携機能、豊富なデータガバナンス機能、堅牢なセキュリティ管理機能を複製することはできていないのです。

CDP を利用すれば、金融機関は数千万ドルの知的財産投資の利点を関連する初期費用や技術債務、長期的リスクなしに得ることができるのです。

Cloudera Data Platform について、また Cloudera が金融サービスの最新化をどのようにサポートしているのかについては、ぜひ詳細をご確認ください。

Cloudera Japan Marketing
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