by Wim Stoop
この記事は、2024/5/14 に公開された「What Separates Hybrid Cloud and ‘True’ Hybrid Cloud?」の翻訳です。
ハイブリッドクラウドは、現代のイノベーションで中心的な役割を果たしています。特に、人工知能(AI)をはじめとする新たなテクノロジーは、新たなビジネス価値を生み出し、業務効率を向上させます。しかし、そのためには大量のデータが必要になります。さらにそれ以上に、こうしたテクノロジーの可能性を活用するには、質の高いデータが必須です。データがなければ、AI の導入によるアウトプットは非効率的かつ、まったく不正確なものになる可能性を持ちます。Cloudera と Foundry の調査によると、IT リーダーのうち 36% が、この課題を最重要課題として挙げています。
必要なレベルのデータ品質を達成するために、ビジネスリーダーや IT リーダーの大半は、クラウド、オンプレミス、またはその2つの組み合わせの間でデータを移動させ、分析や AI モデルへの投入に最適な場所に移動させるという、データ管理へのハイブリッドアプローチを選択しています。しかし、ハイブリッド・クラウド・インフラを採用するだけでは、この課題は解決しません。意味のある結果とスケーラブルで柔軟なデータアーキテクチャは、データ管理に対する「真の」ハイブリッドクラウドのアプローチを必要とします。
「真の」ハイブリッドとは、どういう意味でしょうか?もっと深く掘り下げてみましょう。
クラウドにおけるデータ管理の再構築
ハイブリッドクラウド戦略を「真の」ハイブリッドのレベルまで高める要因はいくつかありますが、ここではこのアプローチの最も重要な側面に絞って説明します。「真の」ハイブリッドであるための主な要素の1つは、データセンターとクラウドの両方、そしてエッジで単一のプラットフォームとして運用できることです。複数のクラウドをサポートするだけでは、既存のデータセンターに投資している企業や、一部のデータや分析をオンプレミスに残す必要がある企業にとって、完全なソリューションを提供することはできません。「真の」アプローチでは、データとワークロードは環境間で自由に多方向に移動できます。この形態のハイブリッドは、標準的なハイブリッドクラウドよりもさらに深く、データの取り込み、ウェアハウス、機械学習など、データのライフサイクル全体を考慮します。エンドツーエンドのデータライフサイクルがまったく異なる環境に分割されている場合でも同様です。
データには、さまざまな形式があります。構造化データ、半構造化データ、非構造化データを理解し扱うことは、ハイブリッドアプローチを価値あるものにする核心部分です。「真の」ハイブリッド は、どのようなフォーマットであってもデータを維持し、活用することができるデータストアを組み込んでいます。「真の」ハイブリッドを実現するために不可欠な要素の1つが、非構造化または半構造化データの膨大な量を管理し、分析や AI モデルのために適切な環境で利用できるようにするオープン・データ・レイクハウスです。これらのレイクハウスは、従来の環境では時間とともに積み重なる複雑さを大幅に軽減し、従業員にシンプルな体験とワークフローをもたらします。
適切なハイブリッドクラウドのアプローチを採用することで、可視性が向上し、データアクセスが促進されます。例えば、LGIM での事例は、同社が市場のシフトに対応し、新たな機会を開拓し、ESG への取り組みを強化するような柔軟性の開発を進めるものでした。将来に向けてデータからさらに大きな価値を生み出すための強固な基盤の構築を、Clouderaは支援しました。
データガバナンスへの統一されたアプローチの構築
すべてのデータは、担当者がそれを見て理解し、どこでどのように展開されているかを素早く知ることができなければ、適切に活用することはできません。正しいアプローチには、データがどこにあろうと、どのような状態にあろうと、どのように分析に展開されようと、単一の共通コントロールプレーンを提供できるソリューションの導入が含まれます。つまり、「真の」ハイブリッドによって、組織は特定の環境でしか機能しないツールの散在を避けることができます。すべてのデータを単一の一貫したビューで見ることができるこのハイブリッドアプローチでは、データと分析のパフォーマンス、リソース配分、経費をエンドツーエンドで明確に把握することができます。「真の」ハイブリッドクラウドに内在する機能横断性は、データガバナンスの大きな後押しになります。ハイブリッド環境ではデータが常に動いているため、このアプローチによって可視性が向上し、データが生まれた場所から必要な場所に移動する際に、ルールを適用してコンプライアンスを維持することが容易になります。
「真の」ハイブリッドクラウドのアプローチを採用するということは、目先の課題を解決するためだけでなく、データガバナンスを改善するだけのものでもありません。データアーキテクチャの状況に関して言えば、変化は絶え間ないものであり、イノベーションのペースは時が経つにつれて速くなる一方です。それに伴い、「真の」ハイブリッドクラウドの重要性が認識され、柔軟性、拡張性、適応性の高いデータアーキテクチャが好まれるようになってきています。
Clouderaが、ハイブリッドデータ管理のニーズをどのようにサポートできるのか、詳細をご覧ください。