by Jeff Healey
この記事は、2024/08/01に公開された「An Overview of Cloudera’s AI Survey: The State of Enterprise AI and Modern Data Architecture」の翻訳です。
どの業界においても、企業の IT リーダーは、組織を今後のテクノロジーに備えさせるという責務を負っています。これは簡単な仕事ではありません。AI の使用が爆発的に増える中で、Cloudera は Researchscape と共同で、米国、EMEA および APAC の地域にある 1,000 人以上の従業員を抱える企業で働く 600 人の IT リーダーを対象に調査を実施しました。本調査、「The State of Enterprise AI and Modern Data Architecture」により、AI の採用に伴う課題や障害、企業の昨今の AI 導入計画、データインフラとデータ管理の状況が明らかになりました。
企業における AI の状況
世界中の企業が、業務に AI を迅速に取り入れていることに驚きはないでしょう。調査対象企業の 88% は、この変革をもたらすテクノロジーをすでに利用しています。AI は事業の運営手法と、業務におけるチームを変えていき、産業界に大改革をもたらし始めています。AI の採用が進んでいる部門は、IT (92%)、カスタマーサービス (52%)、そしてマーケティング (45%) です。こうした業務分野全般で、AI はIT プロセスの効率を高め、チャットボットによりカスタマーサポートを向上させ、意思決定力を高めるための分析を活用しています。
様々な AI の導入において、生成 AI (GenAI) は際立って普及しており、67% の回答者が何らかの分野で生成モデルを活用しているとしています。企業は、次のようないくつかのアーキテクチャーを使って、生成 AI を開発しています。トレーニングしていないオープンソースモデルにデータを公開している (60%)、自社データでオープンソースモデルをトレーニングしている (57%)、自社運用またはプライベートクラウドでトレーニングしたオープンソースモデルを使用している (50%)、自社所有の大規模言語モデル (LLM) または小規模言語モデルを開発している (26%)。
回答者は、生成 AI 以外に次のようなアプリケーションを導入していると答えています。予測 (50%)、ディープラーニング (45%)、分類 (36%)、教師あり学習 (35%)。
AI 導入における課題
多くの企業の AI 導入には課題がないわけではありません。主に時代遅れのデータインフラ、性能が低いデータインフラによるものです。どの企業も、何らかの形のデータアーキテクチャーを採用していますが、使用されている種類は多種多様です。大多数の企業は、プライベートクラウドに自社データを保存しています (81%) が、他のアーキテクチャーも普及しています。パブリッククラウド (58%)、自社運用の大型汎用コンピューター (42%)、自社運用の分散処理システム (31%)、その他の物理環境 (29%)、レイクハウス (19%) などです。
複雑な昨今のデータ状況を舵取りしていくことで、各企業には個別の課題がいくつか生じています。主要な課題は、データのセキュリティと信頼性 (66%)、データ管理費用の増大 (48%)、コンプライアンスとガバナンスに関する課題 (38%)、過度に複雑化したプロセス (37%)、サイロ化して利用しにくいデータ (36%)、プライベートデータを接続することへの不信感と AI モデルの不正確さ (32%)、データフォーマットの標準化へのニーズ (29%) などです。
こうした課題は、データテクノロジーが急速に発展する状況や、企業が管理すべきデータ量の増加により、さらに複雑化しています。AI 導入を確実に効果的で機密性の高いものにするには、堅牢かつスケーラブルなデータインフラへの継続的な適応と投資が必要になります。競争優位性と業務の効率化のために AI の活用を目指す企業にとって、これは不可欠なことなのです。
最新のデータアーキテクチャーの活用
今日の状況に置いて、データの信頼性は、最新のデータアーキテクチャーの採用による方法によってのみ確保できるのです。こうした高度なアーキテクチャーは、欠くことのできない柔軟性と視認性を備えており、データからの洞察と価値の抽出を推し進める見取り図として機能します。こうしたアーキテクチャーを採用することにより、組織でのデータ利用が簡素化され、サイロを崩壊させ、データを理解しやすく活用しやすいものにするのです。
ハイブリット型データアーキテクチャーについて、最も価値のある強みについて訊ねると、回答者は一番の強みにデータセキュリティ (71%) を挙げました。その他に有意性を示した強みは、データ分析の向上 (59%)、データ管理の強化 (58%)、スケーラブルであること (53%)、費用対効果 (52%)、柔軟性 (51%)、コンプライアンス (37%) などでした。
最新のデータアーキテクチャーにより、データ管理に首尾一貫した効率性の高いフレームワークが備わり、多様なデータソースとフォーマットの統合を支援できます。この統合はデータ主導の戦略活用を目指す企業にとって不可欠であり、自社のデータインフラが、発達していくテクノロジーと増大するデータ量の要求に確実に対応できるようにするのです。組織は、こうしたアーキテクチャーの採用により、新たなチャンスを切り開き、信頼性があり利用しやすいデータによるイノベーションを推進する体制を整えることができるのです。
最新のデータアーキテクチャーが実現するセキュリティの強化、透明性、利用しやすさ、洞察は、企業の機敏さ、適応性、十分な情報に基づく意思決定にすぐに影響を与えます。これらの要素は、将来を予測するデータインフラにとって不可欠であり、時間が経っても堅牢であり続けるようにし、AI の導入による実感できる ROI を達成できるのです。
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