2023年の予測:APACのビジネスを席巻するデータトレンド

2023年の予測:APACのビジネスを席巻するデータトレンド

Clouderaのアジア太平洋地域担当バイスプレジデントであるRemus Limが、APAC地域のリーダーが注目すべき主要なビジネストレンドと、来年にもつながるデータ活用方法について語ります。

byRemus Lim
この記事は、2023/01/05に公開された「2023 Predictions: Data Trends That Will Dominate Business Agenda in APAC」の翻訳です。

パンデミックがまだ続く2022年に、デジタルトランスフォーメーションを強化させた企業は、その努力がコスト削減やデータ管理の合理化という形で実を結んでいます。アジア太平洋地域 (APAC) の企業は、迫りくる世界経済の脅威の中で、回復力と俊敏性を維持しなければならないという圧力に直面しており、業務効率とコスト削減を最適化する人工知能 (AI) や機械学習などの新技術をさらに活用することを検討しています。 

デジタル技術が成熟し、AIや機械学習技術を広く採用する業界が増えています。そんな中で、ビジネス目標を達成するために新たな技術ソリューションを全社的に展開しようとする組織にとって、2023年は極めて重要な年になるでしょう。今回は、APAC 地域のビジネスリーダーが、今年1年間に優先的に取り組むことになるであろう3つの重要なトレンドを紹介します。

1: データを戦略的なビジネス資産として扱う 

近年、企業はデジタル化の副産物として、かつてないほどの大量のデータを生成し、デジタル経由の顧客接点を増加させています。特に、通信、小売、医療、製造、保険、金融サービスなどの業界では、その傾向が顕著です。加えて、APAC 地域における5G ネットワークの展開が予想されるため、データ量の大幅な増加が予想されます。

APAC 地域において、組織がデータをより有効に活用し、価値を生み出すまでの時間を短縮しようとしている動きが見られます。データには、ビジネスの重要な意思決定のための貴重な洞察が含まれています。革新的かつ成功を収めている組織は、データを戦略的リソースとして扱い、独自の戦略が必要なことを認識しています。データ戦略は、他の戦略と連動しているために組織固有のビジネスニーズによって異なります。万能のアプローチはなく、ビジネスの優先順位に合わせて戦略を進化させ続ける必要があります。

そのような中で、確実に言えることは、企業のクラウド戦略やビジネスの優先度と連携した、エンタープライズデータ戦略を持つことです。それによって、業務効率の向上や新たな収益源の確保など、より大きなビジネス価値を推進できるようになります。Cloudera の「エンタープライズデータ成熟度調査レポートの結果によると、データ戦略を1年以上実施している組織は、平均5.97%の利益成長率を遂げています。

適切なツールが整っていれば、データから実用的な洞察を抽出し、ビジネス目標を達成したり、新たな収益源を確保したりすることは、業界を問わずあらゆる規模の組織で容易に実現できます。特に、運用やクラウドに関する専門知識を必要としないセルフサービス機能を利用できるようにすることで、その実現はより簡単になります。

2:適応型AIシステムの運用で、ビジネスの迅速な意思決定を実現

データドリブンな組織への変革を後押しする、リアルタイムなデータ処理やストリーミング、共有の需要が高まる中、大量のデータを頻繁に取り込み、変化や変動に素早く対応できる、適応型AIシステムの構築へ投資する企業が増えると予想されます。

勝利を手にすることができるかは、予測分析を実行するスピードと、これらのアルゴリズムパラダイムに関連する費用対効果に掛かっています。より速く、より柔軟な意思決定のために、使いやすく、説明可能な AI を活用し、信頼を構築できれば、リーダーとして優位に立つことができます。

組織がアルゴリズムを越えて、ビジネスに対応した予測ダッシュボード、可視化、AI システムの利用を簡素化して結論を導き出すアプリケーションなどに、焦点を絞ることも予測されます。これらは、ビジネスリーダーがビジネスへの影響を迅速に理解し、自信を持って行動するために活用できるのです。 

当社は、APAC 地域の企業に対し、データ分析や AI ソリューションの運用を行い、データドリブンな意思決定や業務の効率化を実現し、迅速に明確なビジネス効果を実感できるよう支援しています。例えば、シンガポールの United Overseas Bank (UOB) は、機械学習を使って分析を運用し、ユーザーに洞察を提供しました。UOB は Cloudera Data Platform を通じて、最適な価格設定による安定した預金の構築と、預金に関する一貫した正確なビューを提供できるよう、預金分析ソリューションの提供を開始しました。その結果、収益の向上、リスクの低減、生産性の向上を実現しました。

3:パブリッククラウドやハイブリッドクラウドへの移行が進み、導入が最適化する

クラウドファーストの方針とクラウドへの移行が最重要課題となる中、あらゆる規模の企業でパブリッククラウドへの投資とワークロード量が加速し続けています。しかし、企業は効果的にコストを最適化するのに苦労しており、かなりの費用が無駄になっています。 Flexera 社の「2022 State of the Cloud Repor (2022年クラウドの現状レポート)」によると、回答者のうち32%が、2021年に自分の組織がクラウド費用を無駄にしたと自己推定しており、それは、前年が30%だったことと比べると増加しています。コストの最適化は、6年連続で企業のクラウド施策のトップであるため、企業は、迅速かつ効率的に結果を出すために、よりコスト効率の高い戦略を選択すると思われます。それには以下を含みます。

  • より多くのワークロードがクラウドへ移行し、リソースを解放しながら俊敏性を推進させる 
  • 複数のソースからのデータの取り込みから、保存、処理、提供、分析、モデリングまで、エンドツーエンドのデータライフサイクルを管理できるデータおよび分析ソリューションの導入により、実用的な洞察が促進する
  • コンプライアンス、ガバナンス、セキュリティのクラウド費用を最適化するために、一部の機械学習ワークフローを、複雑なプロセスに対してコスト効率の高いオンプレミスに戻している

そこで、データレイクハウス、データファブリック、データメッシュといった最新のデータアーキテクチャを活用することが、多様な業務においてビジネスの効率化を推進するために不可欠となります。これらの最新のデータアーキテクチャは、オンプレミスやパブリックまたはプライベートクラウドでのデータ管理に加えて、セキュリティやガバナンス関連のなどの複雑な問題を扱うように本質的に設計されています。また、組織のデータへのアクセスを可能にすることで、IT チームの懸念事項にも対応します。 

組織は、データ分析と機械学習のライフサイクル全体をよりよく管理するために、ハイブリッドデータプラットフォームへの移行を検討することができます。プラットフォームには、共有しやすく、セルフサービス機能を可能にするオープン性と相互運用性の特徴が必要です。例えば、Cloudera Data Platform (CDP) は、SDX (Shared Data Experience) 機能が組み込まれており、すべてのデータに対して共通のメタデータ、セキュリティ、ガバナンスモデルが提供されます。

全体として、企業はクラウド、エッジ、およびデータ機能を採用する前に、包括的なビジネス目標を評価する必要があります。ビジネスごとのニーズに最も適したアプローチと戦略を決定し、これらの能力が特定の問題を解決するためだけでなく、組織全体に利益をもたらすことができるかを判断することが、極めて重要です。

モダンデータアーキテクチャを実現するCDPの詳細はこちらをご覧ください。

 

E-book: IoTによる デジタル トランスフォーメーション

Cloudera Japan Marketing
この著者の他の記事

コメントする

あなたのメールアドレスは公開されません。また、コメントにリンクを貼ることはできません。